研究概要 |
海洋生物共生物質“アプリシノプシン"関連化合物の原料となる3H-インドール=1-オキシドの合成を目的として、4-(m-置換フェニル)-3,5-ビス(メトキシカルボニル)-2-イソオキサゾリン=2-オキシドと四塩化チタンとの反応を試みた。その結果、3H-インドール=1-オキシドは得られず,α-ヒドロキシ-4H-1,2-ベンゾオキサジンを高収率で得た。この化合物について環開裂反応をおこなうことによりインドールへの環変換を試みたところ2-オキソ-2H-ベンゾフロ[2,3-b]ピロールを3段階で得た。一方、4-(p-置換フェニル)-2-イソオキサゾリン=2-オキシドについても同様に四塩化チタンとの反応を試みた。その結果、ベンゾフロ[3,3a-d]イソオキサゾール誘導体、およびそのDiels-Alder二量体などの興味深い新規環骨格を有する化合物などを得た。これらの生成物の構造はX線結晶解析により決めた。次に、5-ヒドロキシメチル-2-イソオキサゾリン=2-オキシド誘導体と四塩化チタンとの反応についても検討した。その結果、ベンゾフロ[2,3-c]テトラヒドロピラン、ベンゾフロ[3,2-d]-1,2-オキサジン、などが生成することがわかった。さらに、4-インドリル-3,5-ビス(メトキシカルボニル)-2-イソオキサゾリン=2-オキシドを四塩化チタンと反応させたところ、新規の環骨格を有する3a,4-ジヒドロ-5aH-インド[2,3-b]フロ[3,3a-d]イソオキサゾールおよび3H-インドール=1-オキシドの類縁体であるα-ヒドロキシ-1-オキシド-インド[2,3-b]-1-ピロール誘導体を得た。この反応をさらにフラン、ピロールなどのインドール以外の複素環を置換基にもつ2-イソオキサゾリン=2-オキシドに適応した。その結果、各々新規環骨格をもつ新しいタイプの縮環性フロイソオキサゾール類を得た。
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