研究課題/領域番号 |
04671319
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
佐藤 利夫 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70075943)
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研究分担者 |
西木 まゆみ 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (40140610)
松本 仁 徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (30109730)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 3-0-アルキルアスコルビン酸 / 抗酸化能 / 安定性 / 脂質過酸化抑制作用 / 構造活性相関 / 不整脈抑制 / Glu-P-1誘起発癌 / 発癌抑制 |
研究概要 |
化学的に安定で且つ抗酸化能を保持したアスコルビン酸誘導体として3-0-アルキルアスコルビン酸(3-0-RASA)類を新たに見出し、これら化合物の効率的な合成法、安定性を含む物理化学的特性、脂質過酸化抑制作用を指標とした生理活性と置換アルキル鎖の疎水性との間の構造活性相関を検討して以下の知見を得た。(1)3-0-RASAの位置選択的合成法の開発:5,6イソプロピリデンアスコルビン酸とハロゲン化アルキルの縮合反応において、重炭酸ナトリウムを塩基として用い、これに相間移動触媒を併用することにより高収率で3-0-アルキル体を得ることが出来た。この反応は2位の水酸基を特に保護する必要がなく極めて位置特異的に3位水酸基をアルキル化することが出来た。(2)3-0-RASAの水中での安定性と抗酸化能:3-0-RASAは中性の水溶液中でも極めて安定であり、室温、37℃において6時間後でもほとんど分解は見られなかった。これに対し位置異性体である2-0-RASA及びアスコルビン酸は不安定で同条件では50%以上が分解した。一方DPPHの還元能を指標とした抗酸化能はアスコルビン酸>2-0-アルキル体>3-0-アルキル体の順で低下した。(3)in vitro系における抗酸化能の評価と構造活性相関:3-0-RASAの脂質過酸化反応に対する阻害活性は化学的抗酸化能よりも化合物の疎水性に大きく左右され、一定の範囲の疎水性(K'=1〜2)を示す誘導体に最大活性が認められた。以上の研究で最大活性が認められた3-0-ドデシルカルボニルメチルASAについてin vivoでの薬理活性の評価を行い、以下の知見を得た。(1)本化合物はラット冠動脈閉塞一再潅流による不整脈の発生を有意に抑制した。(2)Glu P-1により誘起される肝癌の発生を有意に抑制し得たことから本化合物が発癌抑制物質として有用であることを示すことができた。
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