研究課題/領域番号 |
04671333
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
高山 幸三 星薬科大学, 薬学部, 講師 (00130758)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 経皮吸収 / 吸収促進剤 / テルペン類 / リポソーム / 脂質二分子膜 / ゲル液晶転移 / 膜流動性 / コレステロール |
研究概要 |
炭化水素系モノテルペン類がエタノール共存下で強力な経皮吸収促進活性を発現する機構の解明を目的として、皮膚角質細胞間隙の脂質構造をシミュレートする脂質二重膜の作成を行った。膜成分としてジパルミトイルフォスファチジルコリン、ジセチルホスフェート及びコレステロールを選び、これらを種々の割合で含有する多重膜リポソームを調製した。テルペン類の添加によって惹起されるリポソーム膜の構造変化をDSC、蛍光偏光度及びESRの測定により追跡した。なお蛍光及びESRの測定には、それぞれジフェニルヘキサトリエン及び5-ドキシステアリン酸をプローブとして用い、これらをリポソーム調製時に添加した。その結果、リポソームのゲル液晶転移温度及び転移エンタルピーはテルペン類の疎水性が強くなる程低下し、この傾向は膜成分としてコレステロール含量の高いリポソームにおいてより明らかであった。また蛍光及びESRの測定より、テルペン添加によるリポソーム膜の流動化が認められ、この傾向は疎水性の強いテルペンでより顕著であった。 除毛したラット膜部皮膚を透過膜とするin vitro透過実験により、インドメタシン、ケトプロフェン及び塩酸ベラパミルの皮膚透過性に対するテルペン類の効果を調べ、これより促進活性の指標として透過係数を算出した。透過係数はDSCより得られた相転移のパラメタと良好な相関性を示し、これらの組み合せによって活性を予測できることが明らかにされた。しかし膜流動性の指標である蛍光偏光度やオーダーパラメタの変化率と活性の対応は弱く、明確な相関性は見いだされなかった。 Azoneやオレイン酸等の吸収促進剤では脂質二重膜に対する強い流動化作用が観察されることを考慮すると、これらの化合物とテルペン類の活性発現機構は明らかに異なることが示唆された。
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