研究課題/領域番号 |
04671341
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
成松 鎮雄 千葉大学, 薬学部, 助教授 (20113037)
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研究分担者 |
桝渕 泰宏 千葉大学, 薬学部, 助手 (10209455)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 脳ミクロゾーム / シトクロムP450 / ブニトロロール / プロプラノロール / CYP2Dサブファミリー / P450BTL / CYP1Aサブファミリー / P450スダンI-1 / NADPH依存性シトクロムP450還元酵素 / スーパーオキシド / Western blot分析 / シトクロムP-450 / P450Male / P450MUT-2 / 抗体 / 抗体カラム / Western Blot分析 |
研究概要 |
薬物代謝の遺伝的多型に中心的役割を担う、CYP2Dサブファミリーの中枢における役割を明らかにすることを目的に、交感神経β-受容体遮断薬ブニトロロール(BTL)あるいはプロプラノロール(PL)の酸化的代謝活性を指標として、種々検討を行った。その結果、ラット以外にも家兎、豚、牛などでこれらの酸化活性が検出された。ラットや家兎における脳Msの活性は、肝Msに比べて遥かに低く、肝活性の100〜1000分の1程度であった。家兎脳Msにラット肝より精製したNADPH依存性シトクロムP450還元酵素(fp_2)を添加することにより、PL酸化活性が大幅に上昇した。家兎脳MsのBTL酸化活性は、ラット肝P450分子種CYP1A及び2Dに対する抗体で一部阻害された。家兎肝MsによるBTL酸化反応はラット肝由来のCYP1Aあるいは2D、いずれの抗体でも阻害されないとの知見を踏まえ家兎の脳MsにおけるBTL酸化活性を触媒するP450分子種は、肝Msとは性質が異なっていることが示された。 ラット肝由来のP450抗体を用いて、家兎、豚の脳MsをWestern blot分析で調べてみたところ、ラットCYP2D抗体と交差する蛋白の存在が認められた。抗原として家兎に投与したラットCYP2Dサブファミリーは元々蛋白として50KDの高分子ペプチドと、32KDの低分子ペプチドの2種の蛋白を含むものであり、この蛋白混合物の予備的な分離実験から、これら2種の蛋白は、CYP2D活性発現にいずれも必要不可欠であることが示唆されている。電気泳動的にこの2種の蛋白を分離し、各々に対する抗体作成を試みたが、50KDに対する抗体のみが得られた。この抗50KDペプチド抗体を用いて、改めてWestern blotを行ったところ、(50+32)KD混合物に対する抗体を用いたものと類似の結果が得られた。即ち、ラット肝Msから精製したCYP2D抗体と交差する蛋白、恐らくCYP2Dサブファミリーが、家兎、豚、牛の脳Msに存在することが明らかとなり、ラット、家兎脳Msには肝Msの1〜0.1%程度の、ラットCYP2D基質に対する酸化活性の存在も示された。以上の結果より、哺乳動物種の全脳あるいは分画脳MsにおけるCYP2Dサブファミリーの存在とその活性を確認することができた。更に今後はその酵素化学的性質や、生理学的意義の解明を追究する予定である。
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