研究課題/領域番号 |
04671344
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
乾 賢一 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (70034030)
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研究分担者 |
斎藤 秀之 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40225727)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 腸管吸収 / 尿細管分泌 / 培養上皮細胞 / 輸送担体 / 有機カチオン / ジペプチド / 経細胞輸送 / 卵母細胞 |
研究概要 |
小腸や腎尿細管には種々の薬物輸送体が存在しているが、本研究では尿細管の有機カチオン輸送系(分泌)、小腸のジペプチド輸送系(吸収)を中心にして、これら輸送体の構造と機能について以下の検討を行った。 1.培養腎上皮細胞による有機カチオン輸送機構の解析:多孔性フィルター(Transwell^<TM>)上に培養したLLC-PK_1細胞を用い、tetraethylammonium(TEA)の細胞内取り込みと経細胞輸送を測定した。TEAは側底膜側から濃縮的に蓄積され、頂側膜側へ方向選択的に輸送された。有機カチオン輸送体の活性調節について検討した結果、側底膜の輸送体は細胞内外の環境pHによって調節されていること、頂側膜のH^+/有機カチオン逆輸送体は細胞膜を介するpH勾配によって輸送の方向性と輸送能が制御されていることが示された。 2.培養腸上皮細胞によるジペプチド輸送機構の解析:基質として経口用セファロスポリン系抗生物質、抗悪性腫瘍剤bestatinを用い、Caco-2細胞シートによる取り込み及び経細胞輸送活性を検討した。頂側膜側からの細胞内蓄積および経細胞輸送は、側底膜側からの場合に比べて有意に高く方向選択的であることが示された。また、頂側膜および側底膜を介する取り込みは、いずれも種々のジペプチド共存下で阻害された。頂側膜側からのbestatin取り込みには弱酸性領域に至適pHが認められたが、側底膜側からの取り込みにはpH依存性が見られなかった。これらの結果から、Caco-2細胞の頂側膜にはH^+勾配依存性の、また側底膜にはH^+勾配非依存性のジペプチド輸送体が発現していることが示唆された。 3.アフリカツメガエル卵母細胞によるジペプチド輸送体の発現:Caco-2細胞のmRNAを注入した卵母細胞では、bestatin取り込み活性が上昇し、この取り込みは非標識体やジペプチドの共存によって抑制されること、弱酸性領域に至適pHを有することから、H^+/ジペプチド共輸送体が発現しているものと推察された。
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