研究課題/領域番号 |
04671354
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡村 直樹 広島大学, 医学部, 助手 (30144827)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | NADPHオキシダーゼ / 活性酸素 / 好中球 / 活性化因子 / 脱リン酸化 / リン酸化 / スーパーオキシドアニオン / 低分子量活性化因子 / 酵素制御 |
研究概要 |
多形核白血球(好中球)の殺菌に重要な働きをするO^-_Zを産生するNADPHオキシダーゼを無細胞系において活性化させるときに、さらにこの活性化を促進する新規の低分子因子をモルモット腹腔より誘導した好中球の細胞質に見い出し、いくつかの性質について検討した。 好中球の細胞質をSephadex G-25カラムにより分子量1万以下の低分子成分を分画した。無細胞系におけるNADPHオキシダーゼの活性化は、細胞膜と細胞質にアラキドン酸を加えることで引き起こされるが、細胞質の代りに高分子成分と各々の低分子画分を組み合わせて添加した。分子量1000程度の画分において、それ自身はO^-_Z産生能を持たないが、高分子のO^-_Z産生能を更に促進する活性を見いだした。このO^-_Z産生能を促進する活性は熱や蛋白質分解酵素に対して安定であり、非蛋白性の物質であった。NADPHオキシダーゼの補酵素であるFAD、G蛋白を活性化するGTPγSなどの既知低分子を十分量加えた状態でも、この低分子量因子はさらにO^-_Z産生を促進した。これらのことはこの低分子量因子がフラビン類ではなく、またG蛋白を介して活性化を促進するものではないと推定された。これらの結果よりこの因子はNADPHオキシダーゼの活性化を修飾する新規の低分子量物質であろうと考えている。 一方、細胞質の46K蛋白のリン酸化がNADPHオキシダーゼの活性化に重要な役割を演じていることを解明するために、46K蛋白の脱リン酸化とオキシダーゼ活性化との関係を検討した。活性化した細胞より調製した細胞膜を用い、この蛋白の脱リン酸化を引き起こした。その結果、活性化膜のNADPHオキシダーゼが有意に失活した。さらに脱リン酸化酵素阻害剤添加により、オキシダーゼの失活は抑制された。また走化性ペプチド刺激した好中球による弱くて一過的なオキシダーゼ活性化は、この脱リン酸化阻害剤処理により持続的に増強された。これらの結果はNADPHオキシダーゼが不活性化されるには蛋白質の脱リン酸化が必要であり、また蛋白質脱リン酸化の阻害によってもNADPHオキシダーゼが活性化されることを明らかにした。
|