研究概要 |
1.持ち運びの容易な計測システムの製作 ノート型パソコン,小型心電計による可搬型計測システムを製作し,リアルタイム計測用プログラムを開発した. 2.健常者によるデータ収集 (1)心電図サンプリング以前に低域通過アナログフィルタリングを行うことによって雑音の影響を軽減し,心ベクトルループの方向変化と一回換気量との相関を向上させた. (2)深呼吸で一回換気量が大きくなると,心ベクトルループの方向変化と一回換気量との相関が低下した. 3.異常心電図の影響 心室性期外収縮が発生すると,QRS検出に誤りが生ずることがあった. 4.適用限界及び測定原理の解明 (1)心ベクトルループの方向変化と一回換気量との相関係数に,誘導の組み合わせによって有意差が生ずる被験者が多く見られた. (2)仰臥位,右側臥位,左側臥位,座位で,心ベクトルループの方向変化と一回換気量との回帰直線の傾き及び相関係数を求めた.姿勢によって回帰直線の傾きは変化したが,相関係数は高い値を示した.姿勢の影響は,被験者によって表れ方が異なった. 5.睡眠時無呼吸の検出 5人の正常者に閉塞型無呼吸を模擬させて計測を行ったところ,2例で呼吸停止状態がはっきり表れ,3例で異常パターンが認められたので,閉塞型無呼吸を本法で検出できると考えられる.
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