研究課題/領域番号 |
04671417
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
山添 康 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00112699)
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研究分担者 |
村山 典惠 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90219949)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | チトクロームP450 / 甲状腺ホルモン / 遺伝子活性化 |
研究概要 |
フェノバルビタール投与によって誘導されるチトクロームP450,CYP2B1についてその誘導発現に対する甲状腺ホルモンの作用を調べた。甲状腺ホルモンの作用を分子レベルで解析するため、まず5′-非翻訳領域の約7kbを含むDNAとクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)との融合遺伝子を用いて、本遺伝子の単離肝細胞への導入法の検討を行った。エレクトロポレーション法を用いて遺伝子を導入したところ、単離肝細胞の損傷のためと考えられるhouse-keeping genesの活性化が起こり、相対的に肝特異的酵素の発現が抑えられていることがわかった。また、培養プレートからの肝細胞の剥離が起こり、活性の測定に必要な3日以上の維持が困難であった。そこでリン酸カルシウム法の改良法であるカルシウム共沈法を用いて再度肝細胞への遺伝子の導入を検討した。一般にマトリゲル等の細胞間基質を塗布したプレートを用いると細胞の長時間維持が出来る。しかしながらカルシウム共沈法では、これらの処置は添加DNAあるいはカルシウムの吸着を招き、遺伝子の導入率の低下あるいは細胞毒性を生じる事がわかった。そこでプライマリアプレートと培地への低濃度グルココルチコイド添加によって2日間単離肝細胞をプレートに接着・安定化させた後に遺伝子を導入したところフェノバルビタールの添加によってCAT活性が発現した。この発現はフェノバルビタールに依存しており、非添加時には活性が検出されなかった。そして、甲状腺ホルモンを添加するとフェノバルビタールによるCAT活性の誘導は抑制された。これらの結果から甲状腺ホルモンはCYP2B1の転写活性の段階に作用してその発現を抑制的に調節していることが明らかとなった。現在、鎖長の異なるCYP2B1遺伝子断片を用いて甲状腺ホルモンに感受性を示す領域を特定するための実験を行なっている。
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