研究課題/領域番号 |
04671460
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
門脇 孝 東京大学, 医学部・(病)(内科学), 助手 (30185889)
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研究分担者 |
戸辺 一之 東京大学, 医学部(病)(内科学), 医員
本田 律子 東京大学, 医学部(病)(内科学), 医員
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | インスリン受容体 / チロシンキナーゼ / 膜直下ドメイン / C末端ドメイン / インスリン作用 / IRS-1 / PI3キナーゼ / MAPキナーゼ |
研究概要 |
インスリン受容体の膜直下ドメイン、C末端ドメインに計20数種類の変異受容体を作製し、インスリンによる細胞内シグナルや生物学的作用について検討した。 1)膜直下ドメイン:Tyr^<960>→Phe(Y960F),Tyr^<960>→Ala(Y960A)のーアミノ酸変異を有する変異体をCHO細胞に発現すると、Y960F、Y960A共に受容体の自己リン酸化は不変であったが、内因性基質のIRS-1のチロシンリン酸化、PI3キナーゼ活性化、MAPキナーゼ活性化、2DG取り込み、thymidine取り込みで著名な低下が認められた。 2)C末端ドメイン:自己リン酸化部位であるTyr^<1316.1322>をPheに置換した変異受容体を発現させたCHO細胞ではインスリン結合能、自己リン配化能、IRS-1のチロシンリン酸化には差が認められなかった。この細胞では2DG取り込みに差を認めなかったが、DNA合成とMAPキナーゼ活性はインスリンへの感受性が、正常受容体を発現した細胞に比し亢進を示した。一方、C末端の大部分を欠失したミュータント(082アミノ酸)では、in vitroでのチロシンキナーゼ活性、in vivoでの自己リン酸化が著明に低下しているのにもかかわらず、IRS-1のリン酸化は正常受容体を発現した細胞と同程度であった。また、PI3キナーゼも正常であった。興味深いことに、この細胞では、2DG取り込みやDNA合成は正常であった。以上のデータを含めミュータント・レセプターを用いた成績をまとめると、以下のことが結論された。 (1)インスリンレセプターのチロシンキナーゼ活性はインスリン作用発現に必須であるが、十分ではない。(2)Tyr^<960>を含む膜直下ドメインは、IRS-1の認識、PI3キナーゼ活性化、MAPキナーゼ活性化に重要である。(3)C末端ドメインはIRS-1の認識やMAPキナーゼ活性化に対して抑制的制御を行っている可能性がある。(4)全ての変異受容体で、糖取り込み作用はIRS-1チロシンリン酸化と並行し、一方DNA合成作用はMAPキナーゼ活性化と並行した。
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