研究課題/領域番号 |
04671469
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮本 法博 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (10221615)
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研究分担者 |
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 副腎皮質刺激ホルモン / Aキナーゼ / c-fos / 遺伝子発現 / 初代培養細胞 |
研究概要 |
生命維持に必須の副腎皮質ホルモンは、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の刺激下で、環状AMP(cAMP)の産生増加を介して、一連の水酸化酵素が活性化されることにより生合成される。しかし、cAMPから水酸化酵素活性化に至る細胞内情報伝達機構については、殆ど明らかにされていない。蛋白合成阻害剤の投与でACTHによる副腎皮質ホルモン産生が抑制されることから、この過程には新たに合成される蛋白因子の関与することが以前から示唆されているが、未だに同定されるに至っていない。 一方、下垂体摘除ラットにACTHを投与すると、副腎で細胞性癌遺伝子c-fosの発現が早期に且つ一過性に誘導される。このことは、c-fosが副腎におけるACTH作用の担い手であることを示唆する。 副腎におけるc-fosの役割を解明する第一歩として、c-fos発現誘導の細胞内セカンドメッセンジャーについて先ず検討した。即ち、ラット副腎の初代培養細胞に、cAMP依存性蛋白燐酸化酵素(Aキナーゼ)を活性化するcAMP、Cキナーゼを活性化するフォルボールエステルPMA、Ca^<2+>/カルモヂュリン依存性蛋白燐酸化酵素を活性化する高濃度KClを添加して、c-fos mRNA及びコルチコステロン(B)産生の変化を観察した。その結果cAMPのみがACTHと同様に、c-fosmRNA及びBを増加させた。更に、これらの増加は、Aキナーゼの選択的阻害剤であるH-89により用量依存的に抑制された。また、蛋白合成阻害剤サイクロヘキシミドは、c-fos mRNAの発現をむしろ増加させた。以上の結果から、1)正常副腎細胞では、ACTHによるc-fos発現誘導及びB産生増加は、共にAキナーゼによる燐酸化を介していること、2)c-fos mRNAの増加には新たな蛋白合成が必要でないことが、明らかにされた。現在、c-fosのアンチセンス遺伝子を用いて、Fos蛋白の役割について検討中である。
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