研究課題/領域番号 |
04671472
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 浩淑 京都大学, 医学部, 助手 (60164331)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 甲状腺ホルモン不応症 / 甲状腺ホルモン受容体 / 遺伝子異常 / HL-60細胞 |
研究概要 |
1.甲状腺ホルモン不応症における異常T3受容体の解析 本邦で発見された全身型甲状腺ホルモン不応症(GRTH)患者のT3受容体(TR)β遺伝子の解析を行い、4例において点突然変異を同定した。いずれもホルモン結合領域をコードするエクソン7ないし8に位置するものであった。さらに下垂体型不応症(PRTH)の患者においてもアミノ酸333番めのArgがTryに点突然変異していることを発見した。GRTHの一例とPRTHの異常TRを発現させ、T3結合能を調べると、いずれもT3結合親和定数が正常の1/20〜1/50に著明に低下していた。PRTHのTR遺伝子異常は世界で最初の報告であり、PRTHとGRTHの発生機序に関し重要な知見を与えるものとなった。現在、GRTHとPRTHの異常TRを細胞に発現させ、DNA結合能、転写活性能、二量体形成能を比較検討している。またGRTHの症例のうち一例は、臨床的に明かな不応症であるにもかかわらず、TRβ遺伝子異常を同定することが出来なかった。この症例のTRα遺伝子解析を進めている。 2.HL-60細胞におけるT3作用 白血病細胞であるHL-60細胞の分化は、レチノイド酸(RA)によって誘導されるが、T3はこのRAの分化誘導作用を増強することを発見した。T3単独では分化誘導作用を示さなかった。このT3の増強効果は少なくとも一部は細胞内cAMP増加作用によるものと考えられる成績を得た。また細胞をRAであらかじめ12時間プライミングしておけば、その後RA非存在下でもT3の分化誘導促進作用は認められた。また、HL-60細胞にT3受容体が存在することをT3結合法で証明した。
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