研究課題/領域番号 |
04671494
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
石川 三衛 自治医科大学, 医学部, 講師 (70112620)
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研究分担者 |
斉藤 寿一 自治医科大学, 医学部, 教授 (10048994)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | バゾプレシン(AVP) / CAMP / 細胞内遊離Ca^<2+>(〔Ca^<2+>〕i) / 細胞内Na(〔Na^+〕i) / 細胞内pH(pHi) / 集合尿細管細胞 / メサンギウム細胞 |
研究概要 |
ラット腎乳頭部集合尿細管細胞におけるバゾプレシン(AVP)の作用発現に対するC1^-/HCO^-_3交換系及びH^+-ATPaseの役割、および系球体メサンギウム細胞におけるAVPによる細胞内Na^+濃度[Na^+]i、細胞内pH(pHi)の効果を検討した。私たちは同集合尿細管細胞においてAVPが細胞内情報伝達物質cAMPと細胞内遊離Ca([Ca^<2+>]i)を動員すること、[Ca^<2+>]iやpHiがAVPによるcAMP産生に重要な修飾因子となることを明らかにしてきた。今回の研究では、(1)集合尿細管細胞におけるAVPの作用に対するC1^-/HCO^-_3系の役割を検討するため、NaHCO_3含有bufferを用いてHCO_3濃度を減少またはC1^-除去下で実験した。HCO_3濃度を減少するとpHiは有意に低下し、AVPによるcAMP産生及び[Ca^<2+>]i動員は有意に抑制された。一方、C1^-除去培地下ではpHiが上昇し、AVPによるcAMP産生・[Ca^<2+>]i動員はいずれも有意に増強された。(2)同様の実験をKrebs-Ringer(NaHCO_3不含)で行った。C1^-濃度25mM以下でpHiは有意に低下し、AVPによるcAMP産生や[Ca^<2+>]i動員は有意に抑えられた。またH^+-ATPase活性を阻害するN-ethylmaleimideでも同持の成績がえられた。C1^-は基底側C1^-/HCO_3^-系、管腔側H^+-ATPase活性を介してpHiを管理し、細胞のホルモン反応性を規定するものと考えられる。(3)腎系球体メサンギウム細胞において、AVPはV_1受容体を介してイノシトールリン脂質の代謝を促進し[Ca^<2+>]i動員を増加させる。AVPは[Na^+]iを用量依存性に増加させた。この[Na^+]iの増加は細胞外Naに依存し、初期相はNa^+/Ca^<2+>交換に、持続相はNa^+/H^+交換による。この[Na^+]iの増加は細胞内pHiの変化と呼応し、細胞の収縮や増殖に密接に関与するものと推測される。同様の成績は、エンドセリンやアンジオテンシンIIでも認められた。以上のように、本年度の研究計画に沿って腎乳頭部集合尿細管細胞および糸球体メサンギウム細胞におけるAVPの作用発現に関する研究を進めた。
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