研究課題/領域番号 |
04671513
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ATL / 高カルシウム血症 / PTHγP / 転写因子 / プロモーター / HTLV-1 / Tax1 / トランスアクティベーション |
研究概要 |
我々は本年度、HTLV-1の転写活性化因子Tax1によって活性化されるPTHRP遺伝子の、ATL腫瘍細胞における過剰発現機構を解析する目的で、PTHRPのプロモーター領域の機能の解析と関与する転写因子のを行った。 1.プロモーター領域の解析;CATアッセイを用いた詳細なプロモーター機能解析を行った結果、以下のようなことが明らかになった。上流領域の欠失にともないプロモーターの基礎活性が上昇することから、negative regulatory elementの存在が示唆された。しかし、この抑制効果はプロモーター領域の長さに反比例し、特定の領域に限定することが困難であったがGCrichな配列の関与が示唆された。。また、上流域に存在する幾つかのenhancer element(AP1、AP2、CREBP、EGR-1 binding motif、NFkB-like sequence)が、何れもTax1に対する反応性をもつことが明らかになった。以上から、2.7kbpのプロモーター領域において認められた非常に強い転写活性化は、上流域に存在するsuppressive elementの機能の解除と、先に述べた幾つかのenhancer elementによるポジティブな活性化との総和の効果であると考えられた(渡邉他、投稿準備中)。これらの結果に基づき、この様な調節に関与する転写因子について、上記のenhancer elementを用いたGel shift assayにより解析を進めている。 2.ATL腫瘍細胞およびHTLV-1感染T細胞株における核内癌遺伝子/転写因子の解析;c-jun、JunB、junD、c-fos、EGR-1、-2、-3などの発現をNorthern blotで解析したところ、これらはHTLV-1産生細胞では発現が見られるのに対し、新鮮白血病細胞では殆ど検出されず、細胞株と新鮮白血病細胞とでは全く発現パターンが異なることが明らかになった。この結果は一方で、PTHRPの構成的過剰発現には上記以外の転写因子が関与していることを示唆していると考えられ、現在解析中である。
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