研究概要 |
新臨床疾病である急激な経過を辿るNatural killer(NK)cell leukemia/lymphomaの臨床病態、表面形質、DNA再構成及び癌遺伝子、癌抑制遺伝子の解析を行った。 臨床病態は急激であり若年者に多く発熱、肝脾腫を認め、急性増悪をきたした後は全例4ヵ月以内に死亡した。 表面形質はCD2^+,CD38^+,CD56^+,HLA‐DR^+でCD16は陽性又は陰性を呈した。CD1,3,4,5,8及びCD10,19,20,21,22は陰性でCD24,25,57,71,T‐cell recepto(TCR)α/β,TCRγ,TCRδ等も陰性であった。尚、培養細胞株はCD25^+,IL‐2Rβ^+であった。 白血病細胞或は培養細胞の遺伝子再構成をIgJh,TCRβ,TCRγ及びTCRδ,chain DNAプローブを使用してSouthern法にて検討した所、いずれも胚細胞型を呈した。以上の事実よりnon‐T,non‐Bの第三のリンパ球であるNK細胞由来の腫瘍である事が明白となった。 白血病由来の培養細胞株における癌遺伝子及びp53癌抑制遺伝子の発現を調べた所、H-RAS遺伝子の高い発現を認めた。N‐RAS,K‐RAS,c‐myc,p53は低レベルの発現であった。現在H‐RAS,K‐RAS,p53遺伝子のDNAの塩基配列を検討中である。
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