研究課題/領域番号 |
04671532
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
坂田 洋一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40129028)
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研究分担者 |
三室 淳 自治医科大学, 医学部, 講師 (10221607)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | プラスミノゲンアクチベータインヒビター1 / ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ / ビトロネクチン / 血小板と線溶 |
研究概要 |
人血漿中、及び血小板中にplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)が存在する。血漿中ではPAI-1はビトロネクチン(VN)と結合し、殆どが活性型で存在するのに、血小板中のPAI-1は、殆どが変性剤などで処理をしてはじめて活性を発現する潜在型で存在する。果たしてこの潜在型PAI-1は外部より取り込まれたものであろうか、骨髄巨核球で潜在型として産生されるのか、或は血小板内で活性型が潜在型に移行していくのかを解明することが今回の課題であった。まず、PAI-1を培養血管壁内皮細胞、血小板抽出物より精製し、これを放射性ヨードで標識し、潜在型、活性化型それぞれについて、正常人血小板、グレー血小板患者血小板、先天性PAI-1欠乏患者の血小板を用いて、血小板内取込みを観察した。PAI-1の血小板への取込みは観察されたが、血小板膜にはウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ(u-PA)が結合し、またVNも存在する為に、結果の解釈が極めて複雑なものになり、結合部位の同定などについて確定的なことは言えなかった。そこで、まずこれらの因子とPAI-1の結合部位の解析を施行した。解析には、種々の報告をもとに合成したペプタイド、PAI-1とVNの結合を阻害するモノクロナル抗体などを利用した。結果、PAI-1はu-PAとは、u-PAのkringle中のAsn107-Arg108-Arg109-Arg110-Pro111の部位、及びC端側活性機近傍のlle373---Trp398の部位と、またVNとはVNのSer111----GLu121の部位で結合することが明かとなりこれを報告した。当該部位のペプタイドを合成し、解析に用いることでPAI-1の血小板内取込みの機序などを明かにしていく予定である。尚、研究経過中にPAI-1欠乏患者が妊娠したが早期に流産したため、妊娠の維持と破水に如何にPAI-1が関わっているかを、卵膜を用いて組織化学的に解析し、これを報告した。
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