研究課題/領域番号 |
04671541
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
織田 進 産業医科大学, 医学部, 助教授 (80035237)
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研究分担者 |
江藤 澄哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (90010347)
三砂 將裕 産業医科大学, 医学部, 講師 (30157474)
中田 浩一 産業医科大学, 医学部, 助手 (30198113)
森 直樹 産業医科大学, 医学部, 助手 (10220013)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ATL / 副甲状腺ホルモン関連物質 / MT-2 / IL-2 / IL-4 / IL-6 |
研究概要 |
我々は、ATL細胞が種々のリンフォカインや副甲状腺ホルモン関連物質(PTHrP)を産生し、そのなかでインターロイキン1およびPTHrPは血清カルシウム濃度を上昇させ、そのカルシウム濃度上昇はATL細胞をさらに増殖させることを研究してきた。 今回は、1)MT-2細胞によるPTHrP産生に対するインターロイキン(IL)1α、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-6の影響を検討した。PTHrPの産生はインターロイキンの添加なしに、72-96時間まで経時的に増加した。PTHrP産生はIL-2で濃度依存的に増強し、IL-4では濃度依存的に抑制された。DNA合成能および細胞数はいずれのサイトカインでも変化はなかった。 2)ATL患者から分離した新鮮ATL細胞を用い、PTHrP産生に及ぼす種々のサイトカイン(IL-1α、IL-2、IL-4、IL-6、TNF-α、IFN-γ)の影響を検討した。(1)ATL細胞のDNA合成能(^3H-TdRの取込)に対するIL-2、IL-4の影響の検討では、9例中8例のATL細胞がIL-2によって、7例はIL-4によって増殖した。(2)IL-2は 新鮮ATL細胞からのPTHrP産生を濃度依存性に増強した。また、その他のサイトカインはPTHrP産生に影響を及ぼさなかった。 3)IL-6は骨芽細胞から分泌され、破骨細胞による骨吸収活性を促進するとの報告がある。よって、新鮮ATL細胞のIL-6の産生に及ぼすIL-2およびIL-4の影響を検討した。末梢血よりATL細胞を分離した。IL-6活性はIL-6EIAキット(TFB)を用いて測定した。IL-6mRNAの発現はノーザンブロット法にて解析した。IL-4は濃度依存性にATL細胞からのIL-6産生を抑制した。このIL-4のIL-6産生に対する抑制効果は抗IL-4モノクロナール抗体により解除された。またIL-4はATL細胞のIL-6mRNAの発現を抑制した。 以上、IL-2はATL細胞自体を増殖させ、PTHrPをも増加させるため、IL-2はPTHrPによる高カルシウム血症を介して、さらにATL細胞を増殖させると考えられる。IL-4はPTHrP、IL-6の産生を抑制するため、高カルシウム血症によるATL細胞増殖を防止する効果が期待できると考えられる。
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