研究概要 |
大型磁場閉じ込めプラズマ装置における不純物イオンと軟X線放射の空間分布の測定のために,2次元結象型軟X線分光器の分光素子としての多層膜反射鏡(W/Si及びMo/Si)を設計,製作し2結晶分光系を構成した。軟x線管を用いた調整を行った後に,本分光器を本学プラズマ研究センターの複合ミラープラズマ実験装置「ガンマ10」の主要閉じ込め部であるセントラル部に接続した。 2次元軟X線分光像は2次元検出器であるマイクロチャンネルプレート(MCP)で検出・増幅の後,螢光面によって可視光像に変換される。2次元分光像の動的観測の為にCCDカメラを用いた画像計測システムを完成させた。このシステムは高速シャッター付きCCDカメラ,ビデオデッキ,ビデオ入力ボード及び画像処理用パーソナル計算機から成る。この方式によって露光時間1ms以下の画像を約16ms間隔で記録し,2次元数値データとして画像解析することができるようになった。このカメラシステムを螢光面付きMCPが使われている空間分解真空紫外分光器の分光出力像の記録に適用したところ十分な感度で記録できることが確認できた。 今後は,2次元結像軟X線分光器によるプラズマの分光計測データを蓄積し,画像解析を行いプラズマのスペクトル強度空間分布を明らかにする。他の計測系により測定された電子密度,温度,プラズマ電位の結果を参照して不純物イオンの空間分布の時間変化との相関を調べ,タンデムミラー装置における不純物輸送の研究を行っていく予定である。
|