研究課題/領域番号 |
04680037
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
海野 修 東邦大学, 理学部, 助教授 (70119907)
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研究分担者 |
鯨岡 徹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (40130992)
吉川 昭 Toho University, Department of Information Science, Professor (30075329)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 網膜 / 双極細胞 / 水平細胞 / 受容野 / 逆行性信号伝達 / インタープレキシフォーム細胞 / 遠心性線維 |
研究概要 |
網膜神経回路網は外界からの光情報を処理して中枢へ伝える順方向性の信号伝達経路に加え、中枢から網膜への逆行性信号伝達経路が存在する。我々はこの逆行性信号伝達経路の機能を調べる目的で、平成4年度から2年間、研究を行なっている。本研究では、我々のこれまでの研究を参考にして(Umino & Dowling,1991)、特に受容野と逆行性信号伝達様式との関係を明らかにすることを試みた。平成4年度は、受容野測定のため、ブラウン管ディスプレイ上の画面を計算機制御して刺激光に使う新しい装置およびプログラムを開発した。平成5年度は、昨年製作した装置を用いて実験および解析を行ない、以下の4点の結果を得た。(1)我々が提案した「双極細胞間の電気的結合は入力信号のばらつきを低下させ、空間ノイズを低下させる」という仮説を検討するため、視細胞の型の同定を行なった。方法としては、視細胞に電極を刺入後、光応答を記録し、ついで電極からルシファ・イエローおよびバイオサイチンを注入し、最後に化学処理を行なうことによりこれらの物質を視覚化した。その結果、緑感受性の視細胞は単一錐体、赤感受性の視細胞は双錐体という結果を得た。(2)CRTディスプレイ上に時間的に変化するランダムパターンを生成し、このパターンと応答との相関計算などから、受容野を時間空間両領域で統一的に記述した。(3)背景光の水平細胞受容野への影響を調べ、背景光照射時間が増大するにしたがい、受容野が縮小することを明らかにした。このことは、明順応下では水平細胞の受容野が縮小することを明らかにしたものである。計算機シミュレーションにより、明暗順応下での水平細胞受容野の変化が、明暗順応下での形状視に有効に機能することを確認した。この変化が網膜だけで生じるとは考えられず、脳からの逆行性信号伝達の作用が示唆される。
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