研究課題/領域番号 |
04680094
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
河野 節子 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (40024640)
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研究分担者 |
末田 香里 名古屋女子大学, 家政学部, 助教授 (60068278)
KAWANO Setsuko Nagoya women's Univ., Home Economics, Professor. (40024640)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ラット尾部懸垂 / 加齢 / ストレスホルモン / 後肢骨萎縮 / ピリジノリン / 尿中コルチコステロン / PTH / Vitamin D_3 / アルカリフォスファターゼ / ハイドロキシプロリン / 尿中ハイドロキシプロリン / カテコラミン / 廃用萎縮 / 骨中カルシュウム / 酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ / カテコールアミン / 抗利尿ホルモン |
研究概要 |
高齢化社会を迎え、老人の骨粗鬆症が問題となっており、その発症機序及び予対策は急務である。ラットの尾部懸垂が、後肢の廃用性筋・骨萎縮発症のモデルとして有用である事を示してきたが、このモデルを使用し以下の事を明らかにした。 I)若年(5-8週齢)ラット:1-2週間の尾部懸垂により、後肢骨の抗重力筋及び大腿骨の萎縮が認められた。懸垂群では、尿中ピリジノリンの排泄増加を認め、懸垂早期から骨吸収が促進する事を示唆した。事実、酒石酸抵抗性酸ホスファターゼの活性上昇が懸垂1-3日目に認められた。懸垂開始1日目より、血中遊離Ca濃度も上昇し、懸垂早期からの骨吸収の促進によるものと考えられた。PTHの低下は、VD_3の活性化を抑制し、血中活性型VD_3濃度も低下させた。一方、尾部懸垂ラットでは、糖質コルチコイドの尿中への排泄が増加し、懸垂がストレスとして作用したと考えられた。活性型VD_3は、腸管からのCa吸収を促進させると共に骨芽細胞機能を促進し、骨形成を促進する。糖質コルチコイドは、蛋白異化作用をもち、骨芽細胞機能を抑制し筋肉の異化を亢進する。従って、尾部懸垂により引き起こされる一連の内分泌系の変動が、後肢骨及び筋の廃用萎縮を増悪させる事が示唆された。 II)老齢(18ケ月齢)ラット:老齢ラットでは、1-2週間の尾部懸垂により後肢抗重力筋の萎縮は認めたが、大腿骨の萎縮が認められなかった。また、大腿骨中のアルカリフォスファターゼは、非懸垂群でも低値を示し、懸垂による低下も認めなかった。従って、老齢ラットでは、若年ラットと異なり、骨代謝回転の低下が示唆された。老齢ラットでは非懸垂群の尿中へのコルチコステロン排泄量が若年ラットの15倍と増加し、懸垂負荷による増加を示さなかった。この結果は、加齢により視床下部-下垂体-副腎皮質調節系に著しい変動が起こる事を示唆すると共に、この変動が廃用性筋・骨萎縮の進展に関わっている可能性が示唆された。
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