研究課題/領域番号 |
04680109
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
西嶋 尚彦 茨城大学, 教養部, 助教授 (50202239)
日下 裕弘 茨城大学, 教養部, 助教授 (80177980)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ライフスタイル / レジャー / 産業化 / 個人主義化現象 / 生活価値観 / スポーツ価値意識 / 個性化 / アイデンティティ |
研究概要 |
本研究は、わが国におけるスポーツの伝統的なあり方が、欧米先進諸国の諸価値、とりわけ個人主義的なスポーツ価値観とどのような結びつき方を示しているのか、その様態を明らかにするための予備的研究であった。分析の枠組としては、生活価値観における世界的傾向である社会的「拘束」から個人的「解放・自由」への変化、レジャーにおける産業化の進展、わが国における儒教的スポーツ観から自己実現的スポーツ観への変化、および、来たるベき生涯学習社会における個性化されたスポーツ活動への行政的支援等を考えた。 結果は、スポーツの個人主義化への変化は表層的な事象であり、西欧的な意味での「心の習慣」となってはいないことが示唆された。日本のスポーツの個人主義化現象には、日本人の生活における産業化されたレジャー観が、その表層部分において関連している。ダニエルソンらは、産業化されたライフスタイルの指標として、効率、仕事と余暇の分離、専門化、計算、因果関係の重祖等をあげ、個人主義化現象をその重要な側面としてとらえ、それらが、日本をも含めた先進諸国に共通する社会現象であるとしたが、産業界の変革が先行してきたわが国のスポーツの個人主義化現象は、生涯スポーツにおける個性化・アイデンティティ形成の問題も含めて、表面上、経済価値と人間価値の葛藤を予想させる。また、日下らは、時代の社会文化的・思想的潮流とスポーツに内在する諸価値との両方を見すえたスポーツ観の分析枠組の構築をめざして、スポーツの世界を熟知している大学アスリートを対象とし、生活価値観とスポーツ価値意識に関する日韓比較調査を行なったが、そこでも上述の事柄が示唆された。今後は、これらの予備的研究を十分にふまえ、レジャー・ライフ・スタイルの日加比較を基軸とした、スポーツ価値意識の深層を問う本格的な調査・研究を行なうつもりである。
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