研究概要 |
本研究では,まず人間の運動を解析し,そこからモデル化,知的制御のメカニズムを探ることにある。そのためには,モデル化に適した運動の解析システムならびにシミュレーションのシステムを作る必要がある。そのシステム作成のために, (1)プログラムがインタラクティブに作成できる環境であること (2)さまざまな運動の力学的データ収集のためのA/D変換機能を備える (3)画像解析,特に自動デジタイズの機能をもった画像解析システム (4)シミュレーションのための数式処理,数値処理,非数値処理の機能 これらの特性を備えている必要がある。 本研究では,Mathematicaをプログラム言語として選び,それにアナログ変換,画像解析の機能を付加し,身体運動解析のためのシステムを作成することを目的とした。 研究成果として, (1)運動の解析,シミュレーションに適した解析システムをMathematicaに構成することができた。特に既存のMathematicaにはない機能を,外部プログラムとして作成し,それをMath Linkによりリンクして,アナログ取込み,画像解析が可能になった。 (2)Mathematicaを使って身体運動のモデル化をおこない,その運動をシミュレーションし,それをアニメーション化するシステムを作成した。特に運動のモデルのシミュレーションには膨大な量の数式処理が必要であるが,本システムではMathematicaの機能により自動化された。そのため誤りの少い,変更の容易なシミュレーションのためのシステムが作成できた。
|