研究課題/領域番号 |
04680121
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
三井 淳蔵 岐阜大学, 教育学部, 教授 (00024224)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 気管支喘息 / 肺換気機能 / 剣道 / 免疫グロブリンE / AT(anaerobic threshold) / 漸増運動負荷 / AT(anaerobic threshold)値 |
研究概要 |
本研究は、呼吸機能に強い影響を及ぼすと見られている剣道を用い、剣道独特の呼吸法、即ち瞬時に要求される止息・呼息・吸息が効果的に適応されることを願って、喘息児の健康づくり・肺換気機能の改善をねらいとした運動処方のための基準作りを目的とした。 被験児:7〜14歳までの喘息男児6名(重症2、中等症1、軽症3)と対照に健常男児1名である。剣道教室は平成4年6月から始まり、平成6年3月現在継続中で、週3回、各1時間、成人や他の小・中学生と同様な稽古をした。 測定項目:安静時に心拍数・白血球(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球)・免疫グリブリンE(IgE)、カテコラミン(AD,NAD)、プロスタグランジンF_2α(PGF_2α)及び自転車エルゴメーターを用いた漸増運動負荷all-out時における無酸素性作業閾値(AT:anaerobic threshold)を把握するためV O_2max、呼吸数(f)、心拍数(HR)を測定し、それぞれの値から酸素脈(O_2Pulse:V O_2/HR)、R(V CO_2/V O_2)Vt(V E/f)を求めた。また、定常負荷による肺換気機能(FVC、FEV_<1.0>、PFR)等を平成4年7月、12月、平成5年4月、12月に測定した。 結果:(1)剣道練習中の最高心拍数は9歳男児で190拍/分、が記録され、漸増運動負荷all-out時に近い状態を示したが喘息症状には異常はなかった。 (2)IgE値は、平均845.9±132.25IU/mlであった。(3)白血球数については、安静時、運動後においても、また健常児との間においても差は認められなかった。 (4)漸増運動負荷の結果、安静時心拍数の約2倍の心拍数においても運動を継続することができ、ATの向上を示した。しかし、時には、all-outになってもATを示さず閉塞性肺疾患患者特有と言われるパターンを示した。 o(5)喘息児の健康状態は、過去10年にわたるデータを重回帰分析して得た次の式により予測できる。Y=0.002IgE+0.197NAD-5.150AD+0.002PGF_2α-0.013%FEV_<1.0>-0.017 PER+0.101 O_2Pulse-0.065Vt+0.033R+1.693(1.2以下は健常児、1.3〜2.2は軽症児、2.3〜3.2は中等症、3.3以上は重症)。 評価:如何なる運動種目においても、喘息児の健康状態をよく把握していれば安静時心拍数の2倍を目安に運動負荷を加えることができると思われる。
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