研究課題/領域番号 |
04680129
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
渡部 和彦 広島大学, 教育学部, 教授 (20057699)
|
研究分担者 |
磨井 祥夫 広島大学, 総合科学部, 教授 (10116543)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 高齢者 / 歩行 / 安全 / 補償動作 / またぎ越す / 障害物 / 画像解析 / またぐ動作 / 調整力 / バランス機能 |
研究概要 |
これまで、高齢者の歩行調整機能に関して、基礎的な研究を行ってきた。昨年度は、高齢者の歩行の特徴について、平地の自然な歩行を取り上げ、さらに、トレッドミルをもちいた歩行の条件を設定し青年との比較を行った。その結果、高齢者はこれまでの報告と同様、歩幅、足の地面からの距離が少ないことが特徴であったが、特に着地の際足部の背屈が少ないことが特徴であった。このことは、歩行中のツマヅキの可能性を大きくすることから、更に追及する課題のひとつであった。 本年度は、とくに障害物をまたぎ越える際の動作をバイオメカニクス的に分析した。その結果、以下のことが明らかとなった。 1.青年群において、障害物が高くなるほど足部と障害物との間の距離が増大した。これは足部を持ち上げることで生ずる身体重心の変化や単脚支持期の時間延長にたいして、歩行動作における安全のための補償動作的な調整が行われている結果であると考察された。 2.後から越える脚の足部と障害物との距離は、高齢者も青年も前に越える脚より大きかった。このことは、安全な歩行の確保ということからも意味のあることと思われた。 3.高齢者群は、青年群よりも足部をより大きく持ち上げて障害物を越えていた。 4.自然な歩行と障害物を越える場合を比較すると、高齢者群は歩行速度の減少率及び、歩幅の増加率が青年群より大きかった。 5.高齢者は、障害物を越える際の体幹の前後動揺が青年群より有意に大きくなった。 6.高齢者のつまづきの原因の一つとされる足関節背屈角度の減少は、自然歩行時よりむしろ、実際に障害物を越える場面のほうが大きくなることが示された。 7.これらのことは、高齢者の筋力やバランス能力の低下からくる補償的な調整を示すものであると推測された。
|