研究課題/領域番号 |
04680153
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
関水 和久 九州大学, 薬学部, 教授 (90126095)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | DNAトポロジー / DNA超らせん / DNAトポイソメラーゼ / DNAジャイレース / 熱ショック応答 / 熱ショックたん白質 / 組み換え / 大腸菌 / 熱ショック蛋白 / 相同組み換え |
研究概要 |
研究代表者らは、大腸菌内のプラスミドDNAをクロロキン存在下でのアガロースゲル電気泳動で分析することにより、熱刺激後極めて速やかに、かつ一過的に弛緩することを見出し、報告している。この熱刺激後の細胞内DNAの弛緩と、パルスラベルでみた熱ショック蛋白の誘導との間には、密接な対応関係が認められること、及び熱ショック応答を引き起こす種々の薬剤も細胞内のDNAを弛緩させることから、研究代表者らは、細胞内のDNAの弛緩が熱ショック応答において、重要な役割を演じている可能性について提唱している。 一般に、トポイソメラーゼ存在下では、温度上昇に伴い、DNAのリンキング数は減少し、その結果DNAは、より負の超らせん構造をとると考えられている.即ち、研究代表者らの観察は一見矛盾しているように思われた。この問題に対して研究代表者らは、エチジウムブロマイド存在下では、トポイソメラーゼの反応産物が高温でより弛緩することを示し、温度上昇に伴うDNAの弛緩反応を試験管内で再現することができることを実証した。平成6年度において研究代表者らは、DNAトポイソメラーゼIをコードするtopA遺伝子の欠失変異株においては、熱刺激による細胞内DNAの弛緩反応がDNAジャイレースの阻害剤であるナリジキシン酸やオキソリン酸に感受性となることを見出した。一方、野生株ではこのDNA弛緩反応はこれらの薬剤に対して阻害されなかった。これらの事実は、熱刺激に伴う細胞内DNAの弛緩反応は、DNAトポイソメラーゼI及びDNAジャイレースの両者が関与していることを示すものである。更に本研究の遂行経過において研究代表らは大腸菌の熱ショック蛋白遺伝子の変異株における相同組み換え頻度が低下することを見いだし、熱ショック蛋白の新しい機能として、相同組み換え反応における役割を提唱した。
|