研究課題/領域番号 |
04680154
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
工藤 一郎 東京大学, 薬学部, 助教授 (30134612)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 血小板 / ホスホリパーゼA_2 / リゾホスホリパーゼ / 臨界シセル濃度 |
研究概要 |
刺激にともなった細胞のアラキドン酸代謝物産生反応過程の律速と予想されるホスホリパーゼA_2(PLA_2)を、ウサギ血小板細胞質から精製した。本酵素の分子量は約88,000であり、10^<-6>M以下のCa^<2十>濃度で充分に活性を発現し、アラキドン酸含有リン脂質をリノール酸含有リン脂質よりよい基質とした。本研究では本PLA_2がリゾホスホリパーゼ活性を合わせ持つことを見いだし、以下の通り解析した。 (1)本酵素のリゾホスホリパーゼ活性は、基質であるリゾホスファチジルコリン(リゾPC)の濃度が臨界ミセル濃度以上の時に観察された。従来より報告のあるリゾホスホリパーゼはいずれも単分子状態のリゾリン脂質も基質とし、特徴的であった。一方、本酵素の基質とはならないジアルキルPCからなる脂質二重層の中にリゾPCを平衡化させて反応させたところ、基質濃度がcmc以下でもリゾホスホリパーゼ活性は充分観察された。本酵素は脂質分子集合体中のリゾPCを基質とすると考えた。 (2)本酵素のリゾホスホリパーゼ活性は特徴的な脂肪酸選択性を示した。即ち、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸からなるリゾPCをミセル状態で存在させた場合、切り出される脂肪酸はステアリン酸を1としたときパルミチン酸8、オレイン酸23であった。基質をジアルキルPCの脂質二重層中に平衡化させたと考えられる場合にも同様の脂肪酸選択性が観察された。本酵素は、リゾPCの脂肪酸鎖そのものを識別していると考えられた。 (3)本酵素のPLA_2活性が10^<-7>Mから10^<-6>MのCa^<2十>濃度で活性化されるのに対し、リゾホスホリパーゼ活性はCa^<2十>非要求性であった。両活性に対する化学修飾剤または中和抗体の反応性の差から判断して、リゾホスホリパーゼ活性の活性中心はPLA_2活性の活性中心と異なる部位に存在すると予想している。両活性が生理的状態でどの様に制御され、発現しているのかを検討していくことが今後の課題である。
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