研究課題/領域番号 |
04680167
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
桧垣 強 (檜垣 強) 熊本大学, 医療技術短期大学部, 助手 (70128304)
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研究分担者 |
棚瀬 純男 熊本大学, 医学部, 助教授 (20112401)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | アミノ基転移酵素 / アスパラギン酸 / 酵素構造 / 触媒機能 / アミノ酸残基置換 / 遺伝子工学 / 核磁気共鳴(NMR) / ピリドキサール |
研究概要 |
本研究では、酵素の触媒に伴う構造変化と触媒機能との相関を明らかにする目的で、ブタ・アスパラギン酸アミノ基転移酵素を研究対象とする実験を行った。本酵素のX線結晶解析結果から、基質結合に伴っておこる適合誘導(Induced fit)により構造変化するとされている部分に、分光学的レポーターグループとなり得るアミノ酸残基側鎖を、部位特異的突然変異法(site-directed mutagenesis)により導入した。アミノ酸残基置換した部位は、最も構造変化が大きいと推定されるアミノ基末端側小ドメイン内の18番Pheで、His、Trp、Tyr、Alaなどに置換した変異酵素(F18H,F18W,F18Y,F18A)を得た。さらに、17番Valを置換した変異酵素も作成した。これらの変異酵素の基質結合能および触媒能は野性型酵素に比べ低下していた。特にAlaへの置換酵素で触媒能が著明に減少していたことから、この部分に疎水性の側鎖が存在する必要があると推定された。また、動力学的解析ならびに熱安定性の解析から、変異酵素でも基質結合に伴う構造変化が起きると推定されたので、溶液中における構造変化を動的に捉える目的で、Phe18His置換酵素(F18H)のHis残基に由来するシグナルを核磁気共鳴(NMR)により観察し、以下の結果を得た。(1)F18Hでは低磁場領域に新たにHis残基に由来するピークが認められ、他に大きなスペクトル変化は観察されなかった。(2)pH滴定により、His18のpKaは5.2と算出された。(3)酵素溶液へ添加する基質類似体濃度の増加に従い、His18のシグナルは高磁場へとシフトし、ピークは幅広化することが観察され、この分光学的レポーターが、酵素の構造変化(Open conformationからClosed conformation)速度を見積もる指標となることが明らかとなった。
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