研究課題/領域番号 |
04680179
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
神奈木 玲児 愛知県がんセンター, 研究所病理学第二部, 部長 (80161389)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | リポコルチン / 扁平上皮癌 / 架橋反応 / アクチン / 細胞骨格蛋白質 / 酵素免疫測定 |
研究概要 |
リポコルチンはもともと、リン脂質結合蛋白としても知られるが、一方、カルパクチンの別名のあるとおり、カルシウム依存性のアクチン結合蛋白質としての生理的意義をも有している。リポコルチン分子のリン脂質結合領域と、アクチン結合領域は共通ドメインであり、単分子のままではいずれか片方とのみ結合し得る。しかし架橋リポコルチンはこの両者と結合でき、細胞骨格蛋白質と細胞リン脂質膜とを繋ぎあわせることができる。我々は最近、EGFによる刺激にともない、ヒト扁平上皮癌細胞A431の細胞内リポコルチンIが活発な架橋反応をうけることを発見し、また、リポコルチンIのリン脂質への結合の際のカルシウム感受性が、架橋されることによって著しく高められることを見出した。今年度は、この研究を引き継ぎ、リポコルチンIをヒト胎盤よりDEAEカラムクロマトグラフィーおよび我々の考案したリン脂質アフィニティクロマトグラフィーにて精製し、これをトランスグルタミナーゼによって架橋した。架橋リポコルチンのアクチンとの結合活性を、ウサギF-アクチンを用いた沈降実験によって調べたところ、有意の結合活性を検出できた。一方、リポコルチンIに特異的な抗体を作成して、EGFによる刺激をうけたヒト扁平上皮癌細胞A431の細胞内架橋リポコルチンIの存在様式とアクチンをはじめとする細胞骨格蛋白質との結合様式を蛍光顕微鏡で観察した。架橋リポコルチンIはEGFによる刺激をうけたヒト扁平上皮癌細胞A431では細胞膜に斑状に局在しており、細胞骨格蛋白質との結合が示唆された。また、この抗体を用いて、血清中の微量のリポコルチンの酵素免疫測定を試みた。ヒト血清中にも架橋リポコルチンIと考えられる分子が存在している事が判明した。
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