研究課題/領域番号 |
04680204
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
福永 理己郎 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第一研究部, 研究員 (40189965)
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研究分担者 |
伊藤 恭彦 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第一研究部, 研究員 (40223193)
長田 重一 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第一研究部, 部長 (70114428)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 顆粒球 / コロニー刺激因子 / 受容体 / シグナル伝達 / 増殖因子 / 分化 / チロシンリン酸化 / インターロイキン3 |
研究概要 |
平成4年度の本研究では、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)受容体を介した好中球系細胞の増殖、分化のシグナル伝達機構の解析を行なった。まず、細胞増殖分化におけるG-CSF受容体の機能を解析するために、IL-3依存性骨髄球FDC-PI細胞にG-CSF受容体cDNAを導入し、これを構成的に発現する形質転換株を樹立した。この形質転換細胞はG-CSF依存的に増殖する能力を獲得し、また、G-CSF刺激によってミエロペルオキシダーゼや白血球エラスターゼなどの好中球特異的遺伝子が誘導されることが明らかになった。さらに、G-CSF受容体の欠失変異体や成長ホルモン受容体とのキメラ受容体を用いた解析の結果、細胞増殖のシグナル伝達にはG-CSF受容体の細胞質ドメインのN末端側の領域が関与し、また、好中球特異的遺伝子の発現誘導にはC末端側の別の領域が関与していることが示された。以上の結果は、G-CSF受容体を介した細胞増殖シグナルと分化シグナルが異なる情報伝達経路で伝えられることを示唆している。一方、G-CSF受容体を発現させたIL-3依存性骨髄球32D-FH細胞を用いてG-CSF刺激におけるタンパク質チロシンリン酸化の挙動を解析したところ、G-CSF刺激後5-10分をピークとして分子量140kDa、130kDa、54kDaのタンパク質が顕著にチロシンリン酸化されることを見いだした。このうち、130kDaタンパク質と54kDaタンパク質のチロシンリン酸化はIL-3刺激でも観察された。特異抗体を用いた免疫沈降実験の結果、140kDaのリン酸化タンパク質はG-CSF受容体そのものであり、130kDaタンパク質はIL-3受容体β鎖(AIC2A分子およびAIC2B分子)であることが示された。この結果により、G-CSF受容体とIL-3受容体の情報伝達系にクロストークが存在することが示唆された。
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