研究概要 |
トリチウムの生物影響の観点から、本申請者が設計し、建築されたトリチウム実験棟を使用し、マウスに低線量率での照射を行ってきた。内容的には種々のトリチウム水濃度の水を飲料水として連続的に与え、そのトリチウム水濃度と腫瘍発生および致死日数との関係を研究している。 10μCi/ml(3.7×10^8Bq/dm^3,9.6mGY/日,3,504mSv/年)の濃度までに就いては平成3年度に終了し、本科学研究費で更に低線量率でのトリチウム水連続投与を開始した。すなわち現在の実効線量当量限度50mSv/年を考慮して、3.8μCi/ml(1.41x10^7Bq/dm^3,3.6mGY/日,1,314mSv/年),0.95μCi/ml(3.52x10^6Bq/dm^3,0.9mGy/日,329mSv/年),0.24μCi/ml(8.79x10^5Bq/dm^3,0.2mGy/日,82mSv/年)およびコントロールとして0mCi/mlの4通りの濃度のトリチウム水を、各グループ60匹のマウス[(C57BL/6NxC3H/He)F_1雌]に投与を続けている。研究終了までは後2年間のトリチウム水の連続投与および観察を必要とする。
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