研究課題/領域番号 |
04680215
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線生物学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
早川 浩 九州大学, 医学部, 助手 (70150422)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | cDNA / DNA修復 / 発現ベクター / クローニング |
研究概要 |
I)本年度の研究においては、既に上記の方法によりcDNAクローニングが成功しているO^6メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼに関して、より詳細な研究をひき続き行なった。 (1)ヒトのメチルトランスフェラーゼcDNAをプローブとしてマウスおよびラットのcDNAをクローニングすることが出来た^<(2)(5)>。またこれらのヒトを含む哺乳細胞由来のcDNAを大腸菌内で発現させ、これらの修復酵素を大量に生産させることにより酵素そのものを精製することにも成功した。現在これらの純化された酵素標品を用い酵素化学的な解析を進めるとともに、抗体も作成することが出来たので今後これをプローブとして各種癌由来細胞株さらには組織レベルでの解析へと進む計画である^<(3)>。 (2)クローニングされたマウスのcDNAをプローブとしてマウス遺伝子をクローニングした。その結果マウスの遺伝子もヒト同様非常に大きな遺伝子でその全長は150Kb以上に及ぶことが明かとなった^<(1)(2)>。このことはまさに従来の染色体DNAを用いたトランスフェクション法によるクローニングの限界を示すものである。今後は、トランスジェニックマウスを作成することによりこの酵素を欠損するミュータントマウス作成し個体レベルでこの酵素の機能を研究する計画である。この目的のため今回クローニングされたマウス遺伝子を用いてtagettingベクターを構築した。 II)一方、同様な方法で新たなヒトのDNA修復酵素cDNAのクローニングするため今回色素性乾皮症F群およびファンコニィー貧血症の原因遺伝子のクローニングが目標とされたが今のところ期待できるような成果は挙がっていない。この研究の過程で遺伝病由来の細胞株をクローニング用の受容細胞として用いる場合の問題点がいろいろ明かとなってきた。この点に関してI)の研究の成果として哺乳細胞由来のcDNAを大腸菌内で効率よく発現させることができ、ヒトの修復酵素の研究が大腸菌の系で十分可能なったこと^<(4)>、しかもその結果大腸菌の遺伝的欠損を十分相補できることなどが明かとなった。このようなことから、ヒト遺伝病に相当する大腸菌側のミュータントが存在する場合には大腸菌の系を用いたスクリーニングがcDNAのクローニングにも十分有効でないかと考えている。今後はこのような方向で研究を進める計画である。 (1)-(5)は裏面の発表論文リストの順番に従っています。
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