研究概要 |
14MeV中性子反応生成核の半減期が1秒から 30秒程度の短寿命核生成断面積を中心に、中性子エネルギーが13.4MeVから14.9MeVの範囲にわたり、(n,2n),(n,p),(n,n′,p),(n,α)反応について、放射化法によりF,Mg,Si,Ge,Cr,Ag,Pdの各同位体試料(濃縮同位体又は天然試料)を購入し、測定した。 1.D-T中性子照射を大阪大学強力14MeV中性子施設(オクタビアン)で行なった。照射のため、パソコン制御の高速気送系を製作し、迅速に照射・誘導放射能測定を繰り返した。 2.準備実験として生成核が数十秒の放射化断面積^<19>F(n,p)^<19>O(半減期;27秒),^<25>Mg(n,p)^<25>Na(59秒),^<26>Mg(n,α)^<23>Ne(38秒),^<54>Cr(n,p)^<54>V(59秒),^<107>Ag(n,p)^<107m>Pd(21秒),^<106>Pd(n,np)^<105m>Rh(42秒)を決定して精度の良い結果を得たので発表した。 3.断面積測定で重要な崩壊データであるγ線の放出率を^<66>Cuについて4πβ-γ測定により精度良く決定し発表した。 4.本実験として^<30>Si(n,p)^<30>Al(半減期;3.60秒)と^<74>Ge(n,p)^<74m>Ga(10秒)の断面積を測定した。^<30>Si(n,p)についてはこれまでに、95mb,62mb,5mbという大きく値の異なる報告があったが、(31±6)mbを得た。この値は(n,p)反応の系統性から予測される値35mbに近い。^<74>Ge(n,p)についてはこれまで測定された事がなく、今回初めて測定に成功して(1.04±0.26)mbの値を得た。
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