研究課題/領域番号 |
04680274
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体物性学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
島田 秀夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80095611)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | チトクロームP450 / カンファー / 酸素化型 / 酸触媒 / プロトン / O-O結合開裂反応 |
研究概要 |
チトクロームP450cam(P450cam)は、細菌のカンファー水酸化酵素系(プチダレドキシン(Pd)還元酵素、PdそしてP450camから成る)の末端酸化酵素であり、プロトヘムIXを補欠分子族としてもち、次の反応を触媒する。 d-camphor+NADH+O_2+H^+→5-exo-hydroxycamphor+NAD^++H_2O この反応では、中間体として生じた酸素化型酵素がPdによって一電子還元され、つづいて酸素のO-O結合の開裂が起こる。この酸素化型中間体が還元される段階に、P450camの活性部位に位置するAspが、そしてO-O結合が開裂される段階に、同部位のThr残基が、それぞれ必須であることを既に明かにした。しかしこれらアミノ酸残基の役割は不明であった。そこで本研究では、それぞれのアミノ酸残基の役割を明確にすることを目的とした。 本年度の研究より、少なくとも酸素化型中間体の活性部位には下図に描いた構造が形成されていると結論された。この構造では、1)ヘム鉄に結合した酸素とThrの水酸基の間の水素結合、2)ThrとAspの間の水分子を介しての水素結合、3)そしてAspとArgの間の水素結合が特徴である。このような水素結合のネットワークを通じて反応に必要な2当量のプロトンが溶媒から供給されると考えられる。従ってThrはO-O結合開裂反応の酸触媒として機能し、一方Aspはネットワークの形成に不可欠のアミノ酸残基である。そしてこのネットワークが切断されると酸素化型中間体が還元される速度が激減する。従ってこの還元はプロトンの供給と強く共役していると推定された。
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