研究課題/領域番号 |
04680299
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 大阪府教育センター |
研究代表者 |
東 徹 大阪府教育センター, 科学教育部, 研究員 (30132939)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 理科教育 / 物理教育 / 科学史の活用 / 復元装置の製作 / 江戸時代の電気 / エレキテル / 橋本宗吉 / 佐久間象山 / 歴史的実験の再現 / 歴史的装置の復元 / 江戸時代の電気研究 |
研究概要 |
理科教育のなかで科学史から事例を取り上げる場合、わが国における科学史の事例も、西洋における事例と同様、かなりの活用の可能性があることを、江戸時代の人々が電気を受け入れた事例を通して、示した。具体的には、わが国の実験電気学の祖とされる橋本宗吉(1763-1836)が製作したエレキテルと、「東洋道徳、西洋芸術」という言葉で有名な佐久間象山(1811-1864)が製作したガルバニセ・スコック・マシネの復元装置を製作し、それを教育のなかで生かしていく方途を探った。これらの復元装置は簡単な構造をしているため、摩擦電気や電磁誘導を利用して電気を生み出す仕組みがよくわかる。その結果、通常の電気の授業のなかでも、補助教具として、十分活用可能であることがわかった。また、課外活動などで、生徒達にこれらの装置を製作させれば、江戸時代の人々が行ったことを、失敗も含めて追体験させうることもわかった。さらに、このエレキテルとガルバニセ・スコック・マシネは、効果から言えば、いずれも「ビリビリ」とくるだけの装置であるが、製作された背景や動機は大きく異なっている。エレキテルは、西洋にたいする好奇心の盛り上がりという知的雰囲気のなかで製作されたものであり、一方のガルバニセ・スコック・マシネは、軍事力に代表される西洋文明の衝撃を受け止め、それに対抗しようとした努力のなかから生みだされてきたものであることを明らかにした。その結果、これらの復元装置は、科学と社会とのかかわりを生徒達に知らせる上でも、有効な補助教具であることがわかった。本研究で製作した復元装置は、物理教育学会等が主催の「青少年のための科学の祭典」などへの展示・実演を行った。その結果、これらの復元装置は、社会教育のなかでも役立ちうることがわかった。
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