社会科地理学習を活性化し、魅力あるものにしていく1つの方法として、シミュレーション教材、シミュレーション学習が注目され、そのオリジナルな教材の開発が、今、最も求められているところである。 本研究の目的は、中学校社会科地理用の2つのオリジナルなシミュレーションゲーム教材「焼津の遠洋漁業」と「北海道鉄道建設ゲーム」を開発することにある。 平成4年度には「北海道鉄道建設ゲーム」を開発し、中間報告書「鉄道建設に関する地理的シミュレーション教材の開発-北海道鉄道建設ゲーム-」(全33頁)としてまとめた。 平成5年度においては、本研究の中心をなす「焼津の遠洋漁業」の開発を行い、その内容を日本地理学会春季大会にて発表した。「焼津の遠洋漁業」は、わが国最初の本格的なシミュレーションゲーム教材であると自負しているものである。また、平成5年度には、「北海道鉄道建設ゲーム」について簡単な授業実践も行った。そして、これらの研究内容をもとに、研究成果報告書「社会科地理教育におけるシミュレーション教材の開発に関する研究」(全137頁)をまとめた。なお、この報告書には、シミュレーション教材に関する基礎的論稿も収録してある。 今後の課題は、開発した教材を授業実践するとともに評価し、それをふまえ、より有効な教材に改善していくことである。
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