研究課題/領域番号 |
04801006
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 東海学園女子短期大学 |
研究代表者 |
春日井 真英 東海学園女子短期大学, 教養教職科, 助教授 (60194750)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 内と外 / 宇宙観 / 風水思想 / 神社 / 民俗方位 / 基準方位 / 冬至 / 夏至 |
研究概要 |
本研究の目的は東西南北という基準方位の他に、これとは異なった民俗方位が存在するのではないかと言う仮定を裏付けるためのものである。そしてこの仮定の基に、どのような方位が存在するかを調査した。この調査は集落の神社の面している向きの方位を求めるところから始められ、神社がどの方角に面しているかを調べて行った。初め、これらは「風水思想」の影響によるものと考えていたが、神社を巡る内に「風水思想」でとらえて良いものかと言う基本的な疑問が生じた。調査は二万五千分の一の国土地理院の地勢図を基に行っていったが、地勢図に記載されていない神社の存在などに気が付き、その地方の行政機関の発行する地勢図を用いるようにした。もちろんここでも伊勢湾台風などの自然災害、及びはるか昔の神仏分離の問題、農地化、過疎化などによって神社の統廃合がなされ、神社の面する方位をどこまで昔のままと観ることができるかと言う問題に行き着く。そのため基本とすべき方位を『神道大辞典』(臨川)の神社の配置図から方位の表を作成し、これを基本にした。さらに神社の基本的性格、つまり祭神が祖霊社的性格を有しているのか、それとも神話的神格、自然神的性格・・・であるかと言う分類をすることによって、地域との関わりを考察した。その結果、神社は集落の内と外、日常的領域と非日常的領域を結ぶ接点に位置され、祭神の性格によって神社の面する向きが定められて来ることになり、人々の空間認識と宇宙観を民俗のなかで把握することが可能となった。これは「風水思想」に基づかない異界の認識につながる。
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