研究課題/領域番号 |
04801014
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 大阪外国語大学 |
研究代表者 |
苧阪 満里子 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (70144300)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | バイリンガル / 事象関連電位 / N400 / プライミング / 自動的処理 / 反応時間 / 英語 / 日本語 |
研究概要 |
本研究の目的は、言語処理過程に関わる脳内のメカニズムを知るために、バイリンガルの被験者を用いて、反応時間および、脳波の事象関連電位の後期陰性成分のN400の振幅変動について検討を行うものであった。以下にその概要を述べる。 (1)二つの言語間の干渉効果を、反応時間を指標としたプライミング実験により測定した。具体的には、日本語と英語のバイリンガルの者と、英語を専攻する大学生を被験者として、日本語と英語をプライムとして、二つの単語間の意味的関連性と、言語間のスイッチング(プライムが日本語か英語か)が、後のターゲットの語彙判断に及ぼす影響を検討した。また、言語処理過程のなかでも刺激処理の初期に生起すると考えられている自動的処理過程とそれよりも遅れて生起すると考えられている注意的処理過程とを比較するため、プライムとターゲットとの間の刺激呈示時間差(SOA)を、150MSおよび750MSとの場合について実験を行なった。結果、英語を専攻する大学生ではSOAによりプライミング効果に差異があった。しかし、バイリンガルの被験者では、英語と日本語との間では、言語情報処理に差異は認められなかった。このことから、バイリンガルの被験者では、英語を専攻する大学生に比較して、二つの言語が自動的に処理されていることが示唆される。 (2)プライミング実験における言語情報処理過程の脳内メカニズムを調べるため、事象関連電位の測定を行なった。事象関連電位のN400の振幅変動については、バイリンガルの被験者では、二つの言語間で差異は認められなかった。このことから、バイリンガルの被験者の言語処理は、二つの言語間で同程度に自動的であることが、脳内メカニズムの段階からも確認されたと言えるだろう。
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