研究課題/領域番号 |
04804053
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 京都大学 (1993) 龍谷大学 (1992) |
研究代表者 |
東 正彦 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (40183917)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | C-Nバランス / 生態系 / シロアリ共生系 / 栄養動態 / 発達 / 陸上生態系 / サンゴ礁 / 数理モデル / 海洋生態系 / 湖沼生態系 / 珊瑚礁生態系 / 理論モデル / C-N balance / シロアリ / 共生 / 社会性 / 生物群集 / ニッチ / サンゴ |
研究概要 |
“C-N balance"アイデアに基づき、以下の成果をえた。 1.シロアリ共生系 (1)シロアリの“C-N balance"機構には「Nをinput側に加える」「Cを選択的にoutputする」の二通りがあることを示し、シロアリの共生生物との相互作用のうち、この二つの“C-N balance"法として機能するものをまとめた。 (2)“C-N balance"の能力に見合う程度にしか食料資源を利用できないことを見い出し、ワンピース(巣をなした枯れ木を食糧源にする)タイプよりセパレーツ(巣と食糧源を分離する)タイプの方がより繁栄している現象、およびセパレーツ・タイプにしか真のワーカー(不妊の職蟻)が存在しない現象を説明した。 2.生態系の栄養動態 (1)水域生態系で、植物がとり込めるNに対応する以上に光合成によって作り出してしまう余剰のCを、EOC(細胞外排出炭素)として「垂れ流す」ことに着目することによって、通常のgrazing food chain、microbialgrazing food chain、detrital food chainの相対的な発達の度合いを左右する機構を示した。 (2)生態系における“C-N balance"プロセスに着目することによって、森林、草原、水域の生態系機能における構造的差異を浮き彫りにできることを示した。 3.生態系の発達機構に関して (1)植物生産者と分解者の間の「協同進化」によって生態系の発達過程が進むこと理論的に示した。 (2)珊瑚礁生態系の発達機構を“C-N balance"のアイデアに基づいて説明する理論モデルを得た。 以上の成果は、“C-N balance model"の一般的有効性、一つのパラダイムとして発展する可能性を示唆するものと言えよう。
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