研究概要 |
本法は従来の活性汚泥法の処理フローに、腐植土壌を充填したリアクターを付設する処理システムであるが、下水処理場特有の臭気がほとんどなく、従来の活性汚泥とは異なった特性を示している。 本研究では、主に長野県山ノ内町水質浄化センターの運転管理日報の解析および調査を重ねると共に室内実験も行い、設計諸元のうち、次の点を明らかにした。 (1)除去BOD当たりの送気量は従来活性汚泥の1/2程度でよい。 (2)MLDOは0.4mg/1以下の方が良好な処理水を得る。 (3)曝気槽は嫌気・好気2段運転ならびに間欠運転が適し、これにより脱窒率及びリン除去率は、65%〜85%である。 (4)汚泥の発生率は長時間法のほぼ1/2程度であり、その汚泥は無薬注で脱水できる。 (5)汚泥が沈降しにくい傾向があるため、MLSS=5,000mg/1以上で運転する場合は沈降時間等に配慮が必要である。 本活性汚泥の生物相は、従来の活性汚泥に見られる原生動物などの大型なものは存在せず、主体は極微細な活性度の高い細菌類である。この極微細菌であることが微好気状態でも、活性度を保ち浄化効率が高い、汚泥発生率は低く脱水性が良い等の特性を示す要因になっていると考えられる。曝気量が低減することは、活性汚泥法におけるコストの削減につながり、維持管理上の大きな長所となる。
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