研究課題/領域番号 |
04805069
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳満 和人 東京大学, 工学部, 助手 (20180143)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 金属水素化物 / 水素貯蔵合金 / ボールミル / メカノケミストリー / メカニカルアロイング / チタン / ニオブ / ミクロヘキサン / 脱水素反応 / テトラリン |
研究概要 |
本研究では、炭化水素の脱水素反応を強制的に誘導し、常温・常圧下で金属水素化物を合成することを試みた。金属元素としては、4A族元素(チタン)と5A族元素(バナジウム、ニオブ、タンタル)を対象とした。水素供給源としての炭化水素としては、初年度はシクロヘキサンを、2年度にはテトラリンを選んだ。この両者を所定の配合比に従って、セラミックス容器を用いて、高速ボールミルを行なった。所定の時間毎に試料を回収し、固体試料については、X線回折、電顕観察、組成分析、水素の熱脱離測定を行なった。液体試料については、クロマトグラフと質量分析を行なった。 チタンの場合は2水素化物(TiH_2)を、5A族元素については1水素化物(VH、NbH、TaH)を室温合成することに成功した。粒子サイズは、0.1〜0.2μmの粉体である。合成時間は、シクロヘキサンを使用した場合は約500時間が必要であったが、テトラリンを使用することにより50時間に短縮することができた。液体試料については、クロマトグラフと質量分析によって、合成反応は、以下に例示した、単純脱水素反応によって進行していることが指摘された。 また、得られた金属水素化物における水素の熱脱離測定によって、4A族金属では2段階のスペクトル、5A族元素では1段階のスペクトルが得られた。このことから、結晶格子中における水素原子の位置が両者によって異なることが指摘された。 以上、本研究課題によって、(1)メカノケミカルな手法によって金属水素化物を常温・常圧合成することが可能である、(2)新生表面の高活性度によって従来不可能と言われてきた化学反応を常温・常圧下で実現できる、の2点を実証した。
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