研究概要 |
昨年度はバーミキュライト単結晶層間のMg^<2+>を種々の有機物カチオンで置換することを試みたがうまくいかなかった.結晶サイズ,反応条件を変えて検討したが結局は交換反応は生じなかった.そこで本年度はMg^<2+>を予めNa^+で置換して層間結合力を弱めてから有機物カチオンの置換を試みたところ,反応がスムースに進行し,いろいろな有機物カチオンが挿入できた.最終的にはナファゾリンカチオンを担持した試料を調製して炭素化を行ない次のような結論をえた. 1)1000℃炭素化後に得られた試料の炭素含有率は12wt%で,完全な炭素層の生成を仮定した場合の約半分であった. 2)室温で電気抵抗率を測定したところ6〜7Ω・cmであった. 3)使用したバーミキュライトのNa^+交換容量は200meq/gで,有機物カチオンの選択によっては目的の複合体調製の可能性がでてきた. 4)炭素化過程で含炭素ガスの発生がみられた.挿入炭素の逸脱を意味するので,逸脱を防止しながら炭素化を進行させる技術の開発が必要である.
|