研究概要 |
酸化亜鉛にCo及びCaをドープした薄膜をスパツタソング法により作製し,これをGaをドープしたZnO及びAu薄膜電極ではさんだ三層構造素子を設計した。この3層構造素子を用いて光電流を測定し,分光特性及び時間依存性から光誘起電筒移動過程に関する情報を得た。CoをドープしたZnOでは光電流は710nmよりも短波長側で観測され,600〜650nmの光電流スペクトルは吸収スペクトルと一致していた。この結果は光電流発生過程にα‐α吸収による励起状態が関与していることを示唆している。実際この領域での光電流の時間依存生は時間と共に増加し 一定値に近づくという挙動を示す。理論的は考察からこの光電流の経時変化は初期状態が空の状態であることを意味しており,光励起状態の濃度が七二0(初期状態)では空である事と一致している。一方,500近くでの光電流は時間と共に減少し,初期濃度が空全に充満している状態から光電流が発生している事を示唆している,Co^<2+>の不純物準位からZnOの伝導帯への直接の光励起イオン過程が対応してると考えられる。 CuをドープしたZnOは400nmでピークを与える光電流スペクトルを与えるが,それ以外特徴的なピークは存在しない,バンドギャップ励起を行ないながら光電流を測定すると600nmでのみ、光電流は増大し、400nm700nmで大きな減少が認められた。これより,600nmでの光電流はZnOの価電子帯からCu^<2+>のEg状態への電筒移動過程であり、400nmは価電子帯からCa^<2+>のT_2g状態への光電筒移動過程であろうと帰属できた。また500nm700mnはCa^<2+>の光イオン化であり,Ca^<2+>のT_2g状態からの光イオン化が観測できない理由が明確になった。
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