研究概要 |
先ず、反応式(1)に示されるように、試薬1と2をTHF中,TEAの存在下40℃で反応させると、ケトン含有フォスァン誘導体3が生成し、この化合物がすぐ自己付加重合してフォファンポリマー4に変化することがGPC測定から確かめられた。しかし、ポリマーの4の重合度はn=4〜9と低いことが分かった。 次に、反応式(2)に示すようにポリマー4をオートクレーブ中でアセトンと加熱するとアセトン付加体5が生成した。最後に、アセトン付加体5を200℃,60分間加熱すると、分解してアセトンが蒸発し,ケトン含有フォスファン誘導体3をへて、すぐ付加重合を起こし、ポリマー4が再度生成することがやはりGPC測定から確認する。この様に、ポリマーは分解によって粗製のアセトン付加体モノマー5として回収され、これを減圧蒸留すると純粋なモノマー5となる。更に加熱分解するとアセトンは蒸発し、同時に付加重合が起こり、ポリマー4が再生されることが分かった。 しかしながら、ポリマーの重合度の増加の条件は種々の検討の結果から、立体障害が影響していることが分かり、本研究の化合物では目的を達成出来ないことが分かった。従って、今後この点を考慮した分子設計をする必要があるが、単量体-高分子-リサイクル思想が可能である成果は大きいと考えている。
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