研究課題/領域番号 |
04806003
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伴野 潔 信州大学, 農学部, 助教授 (80127125)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ニホンナシ / リンゴ / 属間雑種 / 胚培養 / 細胞融合 / 接ぎ木親和性 / 光合成 / 病害抵抗性 / 正逆交雑 / 接木親和性 / 黒斑病 / 斑点落葉病 |
研究概要 |
ニホンナシ3品種‘おさ二十世紀'、‘菊水'、‘幸水'とリンゴ3品種‘ふじ'、‘つがる'、‘王林'を供試して、それぞれ正逆交雑を行ない、胚培養を実生法と併用して、ニホンナシとリンゴの属間雑種固体を110系統余り育成した。また、胚培養法を用いてシュート形成が認められない雑種の子葉においても、不定芽誘導法を併用することで、効果的に雑種が獲得できることが明らかになった。 得られた属間雑種について、新梢や葉の形態的特性、葉や枝のアントシアニン蓄積の有無、圃場での病虫害の発病程度等を調査するとともに雑種の光合成特性、接ぎ木親和性についても調査した。これらの結果から、得られた属間雑種個体の表現形質は母本に類似している反面、アントシアニンの発現性や父本の台木に対する接ぎ木親和性の向上等、父本の遺伝子もかなり導入されていることが明らかになった。また、これらの属間雑種の光合成活性は、自根樹では低いものの、接ぎ木によって母本と同程度に回復することも明らかになった。さらに、ナシ黒斑病、リンゴ斑点落病に対する検定を行ったところ、ナシを母本とした雑種では、両病に対する遺伝分離が様々に現れるが、リンゴを母本としたものでは、両病に対してほとんどすべて抵抗性を示した。また、リンゴ黒星病について検定したところ、ナシを母本とするものでは、すべて抵抗性を示し、リンゴを母本とするものでも28系統のうち7系統が抵抗性と判定された。これらの結果は、耐病性育種を進めるうえで、属間雑種の利用が新しい育種戦略となりうることを示唆した。 一方、細胞融合による属間雑種を得るために、プロトプラストの単離と培養法、PEG法及び電気融合法による細胞融合法について検討した。その結果、プロトプラストからカルスまでの培養系については確立できたものの、カルスからの再分化率が極めて低く雑種育成が困難であった。
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