研究課題/領域番号 |
04806009
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土壤・肥料
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
筒木 潔 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (80180024)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 土壌有機物 / 泥炭 / リグニン / 脂肪酸組成 / ステロール / 中性糖組成 / 環境指標 / 泥炭土 / 泥炭地植物 / フェノール性化合物 / 古環境 |
研究概要 |
各種泥炭土及び泥炭地植物を試料とし、フェノール性化合物、脂肪酸、ステロール、中性糖組成の環境指標としての役割を検討した。本年度は、ステロールおよび中性糖組成を中心に研究した。 泥炭土から検出されたステロールはβ-シトステロール、カンペステロール、スティグマステロール等の植物由来のものがほとんどを占めた。富栄養的な環境の下で生成した生花苗低位泥炭土では、微量のコレステロールが検出された。ミズゴケのステロール含量は非常に少なく、これを反映して、ミズゴケを主要な構成植物とする高位泥炭層のステロール含量は低かった。しかし、草本を主体とする高位泥炭層のステロール含量は高く、以下、中間泥炭、低位泥炭の順に減少した。泥炭のステロール中最も多く含まれたのは、β-シトステロールであった。しかし、泥炭構成植物中では比較的割合の低かったスティグマステロールは、泥炭中では割合が増加し、特に、低位泥炭層中でその割合が高くなった。 構成植物の糖組成は、草本および木本植物では、一般にキシロースの割合が最も高く、次いでグルコース、アラビノース、ガラクトース、マンノースの順に多く含まれた。ミズゴケおよびヤマドリゼンマイでは、グルコースに次いで、ガラクトース、マンノース等が多く含まれた。従って、泥炭土においては、マンノースおよびガラクトースを土壌微生物量の指標の一因子として用いることは因難である。泥炭土の糖含量は高位泥炭、中間泥炭、低位泥炭の順に減少する傾向にあった。各断面とも、最表層はグルコースの割合が非常に高かったが、下層に向かって減少する傾向が認められた。他方、キシロースやアラビノースを主体とする本来のヘミセルロース成分は、年代の経過した下層の泥炭層ほど増加した。さらに、量的には少なかったが、泥炭土中のセルロース型糖の糖組成も、構成植物の種類と良い対応関係を示した。
|