研究課題/領域番号 |
04806016
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
岩原 章二郎 香川大学, 農学部, 教授 (60035970)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ネオグリコプロテイン / 糖タンパク質 / Arthrobacter protoformiae / Endo‐β‐N‐acatylglucosaminidase |
研究概要 |
これまでの研究でグラム陽性細菌Arthrobacter protophormiaeの生産するEndo-β-N-acetylglucosaminidase(Endo-A)が他起源の本酵素とは異なり、高い糖転移反応を有すること、また本酵素の糖転移反応を利用することにより従来の化学合成では困難な新規なオリゴ糖鎖を酵素合成出来ることについて報告している。そこで本酵素の糖転移反応を用いてネオグリコプロテインを合成するための最適条件の検討を試みた。まずネオグリコプロテイン合成のためのアクセプターであるGlcNAc-ペプチドの調製を行なった。オブアルブミンをペプシン消化後、各種カラムクロマトによりアミノ酸が10個からなるGlcNAc-ペプチドを調製した。このGlcNAc-ペプチドをアクセプターに用い(Man)6(GlcNAc)2Asnを基質としてEndo-Aの糖転移反応を行なった。その結果逆相カラムを用いたHPLCにより酵素反応前には見いだされない新たなピークが観察された。このピークを分取後、質量分析及びアミノ酸分析を行なったところ、GlcNAc-ペプチドに糖鎖が付加した。(Man)6(GlcNAc)2-ペプチドであることを確認した。この結果より、Endo-AはGlcNAc-ペプチドよりネオグリコペプチドを酵素合成出来ること、さらにHPLCにより酵素生成物が分離可能であることから本酵素によるネオグリコペプチド合成条件を簡便に検討できることが明らかになった。そこでGlcNAc-ペプチドを用いた場合の糖転移反応の最適条件を検討したところ、有機溶媒である30%ジオキサン存在下で糖鎖と酵素濃度を高めることにより、糖転移物の収率が高まることがわかった。さらにGlcNAc-ペプチドで得られた最適条件下でGlcNAc-リボヌクレアーゼBにも糖鎖を転移出来ることがわかり、Endo-Aの糖転移反応を利用する全く新規な方法によりネオグリコプロテインの酵素合成が可能となった。
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