研究課題/領域番号 |
04806033
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
土谷 富士夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30003130)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ジオテキスタイル / 凍結凍上 / 毛管現象 / 遮断層 / 置換工法 |
研究概要 |
寒冷地における道路建設が延びるに従い、その工事費における凍上対策の占める割合は増加してきている。道路の凍上防止対策は、路床土を非凍上性の物質に置き換える置換工法がほとんどを占めるが、現地発生土の利用した対策が望まれている。あるジオテキスタイルが毛管遮断効果を示し、凍上を抑制することが近年判明した。この遮水工法を実用化するため、数種のジオテキスタイルを用いて、毛管遮断のメカニズムを明らかにする室内試験と3年間を通した野外試験とを行った。 遮水効果の簡単な評価を行うために、毛管上昇試験を行った。ジオテキスタイルは供試土の中間に敷設し、水頭はその位置に設定した。結果は、保水性が大きく凍土性の大きい火山灰土を使用するときのみ、ジオテキスタイル遮水能力が明白に判別できることが分かった。 室内凍上試験は、供試体を凍結セルに入れて、上端を-6℃の一定温度で冷却し、下端+4℃の一定温度に保った。結果として、2種類の厚いジオテキスタイルは、毛管上昇移動水を遮断する効果を発揮し、凍上を半分以下に抑制した。それらは、厚さが7.5mmから10.0mmであり、ポリエステル繊維の三重構造シート(コスモレベル)と樹脂で接着したポリエステル繊維のマット構造(サンドフ)であった。しかし、薄手のタイプのジオテキスタイル(テクトン)は、凍上抑制効果が認められなかった。野外試験では、3年間の冬季に渡って行われた。水位を一定に保ち、火山灰性砂質土を挿入した数個のライシメータと称する野外土層を使用し、地表から下120cmの所に一定地下水位を維持した。ジオテキスタイルは、地下水位と土の最大凍結侵入深さの間に敷設された。コスモレベルとサンドフは、3年間を通して安定した凍上抑制効果を発揮した。以上の結果から、凍上対策におけるジオテキスタイル遮水工法は有力な工法であり、現在のところ厚手のジオテキスタイル使用が最も有効であると判断される。
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