研究課題/領域番号 |
04807009
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
今村 一之 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 研究員 (30203326)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 可塑性 / 視覚野 / 感受性期 / 残効 / ノルアドレナリン |
研究概要 |
1963年の眼優位可塑性の発見以来、多くの研究によって、本研究でいう感受性期型可塑シナプスの調節・制御には、(i)主に視覚入力の神経活動自身に依存する機構と(ii)直接視覚系とは関係のない修飾系の関与が示されてきた。(ii)修飾系の1つとして我々は中枢ノルアドレナリン(NA)系に注目し、その関与を示す実験的証拠を報告してきたが、近年の研究によってNA受容体がアストロサイトに発現していることが明らかになり、NAの作用の一部がグリア細胞の機能によって仲介されている可能性が考えられるようになった。さらに我々は(i)(ii)の両機構の収束点として皮質の未熟なアストロサイトを想定し、実際にグリオトキシンの注入によって眼優位可塑性のレベルが低下することを明かにした。このグリア細胞の機構は感受性期型可塑シナプスの調節に重要であるが、残効関連型可塑シナプスの調節にはあまり関与していないと思われた。単純なスリット光刺激を用いて調べた受容野特性と高対比正弦波状格子刺激を用いて調べた受容野特性は良い一致を示していた。最適格子刺激を条件として個々のニューロンレベルで残効現象を調べた。調べた約半数の細胞が残効現象を示し、残効現象の両眼間転移も認められた。残効現象を示した細胞が少なかったのは実験条件によるものと考えられ、これは麻酔・非動下で眼優位可塑性のレベルが低下することと似ており、残効関連型可塑シナプスと感受性型可塑シナプスの関連を示しているものと考えられるが、外来性NAによって感受性期型可塑シナプスが駆動されるのに対して、皮質内NAを増加させても必ずしも運動残効現象が再現されることはなかった。単眼遮蔽した動物を用いた実験から、剥奪眼の条件刺激は正常眼の光刺激に対する反応及び残効現象に何ら影響しないことが明かになり、残効関連型可塑シナプスは感受性期内の視覚環境の影響を強く受けていることが示唆された。
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