研究課題/領域番号 |
04807016
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
下山 誠 島根医科大学, 医学部, 教授 (30084859)
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研究分担者 |
山田 和夫 島根医科大学, 医学部, 助手 (30240005)
寺嶋 正治 島根医科大学, 医学部, 助手 (40227517)
土屋 美加子 島根医科大学, 医学部, 助教授 (90188582)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | p33 / mim-1 / 多形核白血球 / ADP-リボシル化反応 / 翻訳後修飾 / 骨髄性白血病 |
研究概要 |
ニワトリ末梢血多形核白血球にアルギニン特異的ADP-リボシル転移酵素とその標的蛋白質p33が存在することを報告してきた.そしてp33のアミノ酸配列を検討したところ、1989年Grafによって報告されたmim-1(myb-induced myeloid protein-1)とp33が同一であることが判明した.このp33は正常細胞にも見いだされ、その過剰な発現が骨髄性白血病の発症につながると考えられる.興味あることにp33は末梢多形核白血球よりも骨髄細胞に多いことが抗p33抗体を用いた実験で明らかとなった.また、細胞内でp33は修飾されていることが分かった.そして骨髄芽球が顆粒球へ分化するように仕向けられた細胞は培養プレートに接着せず浮遊状態で存在するが、この細胞には必ずp33とADP-リボシル転移酵素活性が認められ、接着細胞には酵素もp33も検出されない.この事実はADP-リボシル転移酵素とp33が顆粒球への分化に何らかのかかわりを持っていることを示している.本酵素は自己修飾を受ける.それによって、p33やヒストンなどの塩基性蛋白質を基質として用いた場合には活性が上昇し、反対にカゼインなどの酸性蛋白質を用いた場合には低下する.これらの事実はADP-リボシル転移酵素が自己修飾によって基質への接近性に変化を来たして基質特異性を変化させる可能性を示唆している.また、末梢白血球から精製した本酵素と骨格筋から精製した酵素はアルギニンを特異的にADP-リボシル化する酵素であっても、内在性基質に関しては全く異なる基質特異性を示すことが分かった.例えば、骨格筋酵素はp33を修飾しない.これらの事実はアルギニン特異的酵素が夫々の組織で異なる受容体蛋白質を認識して情報伝達に役だっていることを示している.
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