研究課題/領域番号 |
04807018
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
村上 善則 国立がんセンター研究所, 腫よう遺伝子研究部, 研究員 (30182108)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / p53遺伝子 / 点突然変異 / 重複癌 / RB遺伝子 / DNA腫ようウイルス |
研究概要 |
1.肝細胞癌におけるp53遺伝子の変異の解析 我々は、昨年度、日本の肝細胞癌に関してp53遺伝子の構造解析を行い、その変異様式が、中国やモザンビークなど、アフラトキシンB1による発癌が強く疑われる地域のそれと異なることを見出した。本年度、さらに解析例を増やすことにより、この傾向を確認し、日本の肝細胞癌の成因が、上記地域と異なることを示した。また、肺非小細胞癌、B細胞性リンパ腫、脳腫よう、すい癌に関しても、同様の解析を行ない、個々の腫ように特徴的なp53遺伝子の変異に様式が存在すること、また、肺非小細胞癌では、変異の様式が、欧米の症例のそれと一部異なり、癌原物質の相違を反映していると考えられることを見出した。 2.発癌の高危険度集団の予知 重複癌や、家族歴の濃厚な肝細胞癌の症例に関して、癌になりやすさの素因が、遺伝的に受け継がれたp53遺伝子の異常に起因する可能性を検討するため、国立がんセンター病院を受診中の該当症例の、正常リンパ球DNAにおけるp53遺伝子の異常の有無を検索した。約20例について解析を行なったが異常は認められず、p53の遺伝的変異をもつ症例が、肝細胞癌に関しては、それほど多くないという知見を得た。 3.癌抑制遺伝子の異常に立脚した、肝発癌機構の解析 我々は低分化型腺癌においても、その約半数では、p53、RB両遺伝子に異常が認められないことに注目し、これらの症例で、p53、RB両遺伝子の異常に相当する別の遺伝子変異を見出すべく解析を行なったが、少なくとも、DNA腫ようウイルスの、肝発癌における関与に関しては、否定的な知見を得た。
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