研究課題/領域番号 |
04807037
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
〓山 正康 (1994) 久留米大学, 医学部, 講師
すぎ山 正康 (杉山 正康) (1992-1993) 久留米大学, 医学部, 講師 (40154504)
|
研究分担者 |
都築 克幸 久留米大学, 医学部, 助手 (80248351)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | クロム / キレート剤 / 活性酸素 / カドミウム / 水銀 / ニッケル / 重金属 / 抗酸化剤 |
研究概要 |
重金属による細胞損傷の発現および防御機序を明確とするため、平成5年度は、主として6価クロムによる細胞損傷発現に及ぼす抗酸化キレート剤のo-phenanthroline(OP)の効果について、培養ハムスター細胞を用い検討した。その結果、OP処理は細胞の6価クロム取り込みに影響を与えることなく、DNA障害のDNA breaksおよびalkali-labile sites生成を低下させ、またglutathione reductase阻害をも抑制することが明らかとなった。また、6価クロム処理した細胞の5価クロム生成量も、OP処理により低下することが電子スピン共鳴(ESR)法により示された。In vitroでの6価クロム還元におよぼすOPの効果を、ESR法および分光学的方法により検索したところ、OPは還元型glutathioneによる6価から5価クロムへの還元過程を阻害せず、生成した5価と直接に反応して5価クロム量を低下させ、更には5価と過酸化水(H_2O_2)によるフェントン様反応で生成する活性酸素種のhydroxyl radicalをも抑制した。一方、6価クロムによる細胞毒性に対するOPの効果をコロニー形成法を用いて検索した結果、OP処理は、細胞毒性を逆に増強していた。Positive controlとしてH_2O_2を用いたが、OP処理は、H_2O_2による細胞毒性を完全に抑制していた。 以上の結果をまとめると、6価クロムによるDNA breaks,alkali-labile sites生成および酵素阻害には細胞内5価クロムが関与しており、抗酸化キレート剤のOPは、5価クロムと直接に反応することで、これら損傷を抑制した可能性が強い。一方、6価クロムによる細胞毒性の発現には、活性酸素や5価クロム生成よりも、他の因子が深く関与していると思われる。OPの有用性については、細胞毒性を増強した点を考慮し、更に検索を追加して慎重に評価していきたい。
|